2015/04/02

構造|水平地盤反力係数

過去問は、6問ヒット。
いままでは、水平地盤反力係数が大きい=地盤が固く強い。
という覚え方でしたが、しっかり掘り下げると、その考えが違うことに気付けました。

■水平地盤反力係数とは?

地盤に力を加えると変形が生じます。
一般に単位変形量を生じさせる単位面積あたりの力を地盤反力係数と言います。
杭のように、地盤に水平方向の力を加えるときに、水平地盤反力係数と言います。
水平地盤反力係数の単位は、通常Kh(KN/m3)です。
参照元

つまりは、力を加えた時の地盤の強さを表す係数。

■水平地盤反力係数の求め方
水平地盤反力係数は、N値から推測可能。
ただし、浅い範囲(5m、杭径×5の範囲)であれば、孔内水平載荷試験による。

■水平地盤反力係数が大きければ、杭頭変位は小さくなる
水平地盤反力係数が大きい = 地盤が強い。
杭周辺の地盤が強いので(地盤が弱い条件より)杭頭が動きづらい = 変位が小さい。

■杭径(杭幅)が太い方が、杭頭変位は小さくなる
同じ長さで太さが違う材に同じ力を加えた時を考えればイメージできる。
細い材より太い材の方が強く、変位は小さくなる

⇒ 杭頭変位は小さくなる。

■杭径(杭幅)が太い方が、水平地盤反力係数が小さくなる
杭径が太い方が、地盤に与える作用範囲が広くなる。

 ⇒ 作用範囲が広がりトータルの変位は大きくなる。
  ⇒ 地盤の変位は大きくなる。

   ⇒ 水平地盤反力係数は小さくなる。

ここでしっかり理解しとないとわからなくなるポイントがある。

「水平地盤反力」と「水平地盤反力係数」の違い。
水平地盤反力は杭の太さに関係なく地盤の条件が変わらない限り一定。
水平地盤反力係数は、加えられた力に対して土がどのくらい動くかの関係をあらわすので、
土の変位量で、水平地盤反力係数は変化してくる。

上記のように、加える力(水平力)が一緒でも変位が大きくなるので、
水平地盤反力係数は、小さくなる。


「水平地盤反力係数 = 地盤の強さ」と、ひとつ覚えすると、
暗記はできるが、疑問が疑問のまま残り続け、結局間違えるといったルーティンに。
(↑昨日までの自分です。)

12181
水平地盤反力係数は,杭幅が大きくなるほど大きい値となる.
⇒×
杭周囲の地盤の強さが強いと水平地盤反力が大きくなり,同じ水平力を受ける杭でも,水平変位や杭に生じるモーメントは小さくなる.水平地盤反力が同じならば,杭幅が大きいと分布が広くなり(杭から土に与える荷重の影響範囲が遠くまで及び),その分土の全体的な変形が大きくなる.よって,水平地盤反力係数は小さくなる.建築基礎構造設計指針 6章6.6節2

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